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はじめての雪

狒狒として降る雪をみあげていると…
無数の命のざわめきが、体の奥の方にまで響いてくるようにおもわれる。
それはあまりに雪に対するメランコリックな…、ロマンチックな…、甘美な思いだ。

カリンの匂いのする雪…
林檎の香のする雪…
街の匂いの雪…

やけに寒いと思ったら、
初めての雪…。
むき出しの首筋に、
雪女の唇がふと触れたような…、
美しいバンパイアに甘嚙(あまがみ)されたような…。

キラキラの雪の切片が、
得体のしれない哀しみを包んで胸の奥深くへ積もって…積もって…
もう、雪が止んでしまっても、花が散るように降り続ける。

(雪に悩まされている雪国の人よ!ごめんなさい!)


※首筋に誰かが唇(くち)をふれてゆく初めての雪うらうら熱い
by blue-lulubul | 2008-11-30 10:36

北国の雪

『北越雪譜』1836(天保7)年~1842(天保13)年(鈴木牧之著)
を読んだことがある。
科学的に克明に観察した記録色の濃い北越の雪の生体である。
 
今日はそのほんの一部だけ取り上げてみる。

・冬のはじめを告げる荒天がつづいて、雪が鳴ること→ユキオロシ

・間もなくアラレがふりやがてミゾレに代わる→ミズユキ・シブタレユキ

・気温がぐんと冷えて冬が本格化してくると粒子が細かくなる→コナユキ

・堅くて大きなのは→ジャリユキ

・いよいよ本降りになって、鵞毛(がもう)に似たのは→ボタユキ

そして

・越後の原野は根雪の下に眠る。

「雪に降りこめられると村は死んだようになってしまう。物音ひとつ聞こえない。静寂。寂しさで背が凍る。
越後の冬に耐えられたものは、何事のも耐えられる…。」


以下は私lulubulの短歌です。

※純白をふかめつついまだ蕾なり天心より渦をひろげ降る雪
by blue-lulubul | 2008-11-29 11:55

篝火(かがりび)草

冬眠を拒否した人間われが、
師走の雑踏の街をゆっくり歩む

花屋の店先には、
あふれるようにシクラメンの鉢・鉢・鉢

通りの中で、
花屋の店先だけ火事だ!

それなのに…
鏡に映る炎のように、
水面(みなも)にゆれる灯りのように
熱くはない炎!

まるで、
これの世と彼の世の境に燃えているように!

ビル街を後ずさりしながら、
太陽が沈んだ後

眼(まなこ)の温もりを求めて、
真紅のシクラメンをわが物とする

※シーズヒーターで煮炊きしスイッチにて風呂沸かす日々 篝火草(シ  クラメン)買う
by blue-lulubul | 2008-11-28 11:15

雪の音

歌わざる生(いき)を思いてま向かえば、
枯草の根方に斑雪(はだれゆき)

次の日はまた忘れ雪

喜びも、惑いも、悲しみさえも虚空にひらめかせ
現世(うつしよ)へ解き放たれる
宇宙(そら)の心のま白き証(あかし)

目を閉じて聴く

かすかなる雪のためいきに
萌えゆらぐ季節の移ろいを知る


※街の騒音包み込みたる淡雪が雪の音たて積もりゆくなり
by blue-lulubul | 2008-11-27 12:53

パン屋さん

小学校の四年生のとき教生の先生の教育実習を受けました。
その先生は、私達を受け持ってすぐ、「自分は、教師に向かない」と言っておられましたので、生徒みんなでお手紙を差し上げて「ぜひ教職に付いてください」とお願いしたのですが…。その後どうなったかは、子供達には知らされませんでした。
お名前は忘れたのに、その先生に教えて戴いた唱歌はいまでも覚えているのです。一部思い出せないところは(?)にしておきます。

    パン屋さんのお店の前を駆けて通りゃ
    パン屋さんのお店の前はパンの匂い
    アンパン・ジャムパン・クリームパン
    食パン・コッペパン・(?)パン
    パン屋さんのお店の中はパンだらけ

いまでも、パン屋さんの匂いだあ~い好きです。
そして、
ひょんなことから
「jam(ジャム)-une(アン)」さんと、お話できることになりました。

※パンの耳は呑み込みている緋鯉らのDNAは枯れ枝を吐く

055.gif (2008/11/28金)
思いがけず、身近な方(とても大切にお付き合いさせて頂いている先輩の方)からお連絡いただきました。
「食パン・コッペパン・コロッケパン」ですって!
当時、若い男の先生が、この歌を楽しそうに歌いながら、子供達を引き連れているところを、ご覧になったのですって!
そして、お連絡下さったお宅でも、ご一家で得意な歌のメニューに入っていたのだそうです。パソコンって改めて凄い!と思いました。
by blue-lulubul | 2008-11-25 15:29

十字花

心臓の形の葉が
まるで花を守るかのように
悪臭を放つ

根源にある幸せは
希望か
あるいは
いたわりあう心だろうか

地下茎をせいいっぱい伸ばして
蕺草(どくだみ)は
地球の何を吸い上げたのだろう

自分の中の毒が
引き出されることを
まるで意識しているように…

人間たちに
何を矯めよとの示唆などはせず
無限花序の
淡い黄色の小さな花を支えている
十字型の白い苞(ほう)

十字型の白い苞は
花を影薄きものとし
十字花と呼ばれ
人間の心を禊ぐ

花はその影でひっそりと
子孫を育てるのだろう
十字型ゆえ
穢れなき白さゆえ
自らも禊がれている苞

人間はいつ
その悪臭の陰に秘め持つ
薬の効果に気付いたのだろう

毒を止める意を持つ「ドクダミ」
「十薬」の異名も掲げて
路地裏に、掘割に、
強く、逞しく、
心に深く根差し咲く
十字花

※うずらの卵(こ)・鱈子(たらこ)・かずの子・蜂の子・筋子 初めて海     鼠子( このこ)食べたるは誰
by blue-lulubul | 2008-11-24 14:22

赤壁の戦い

今日は夫の好きな三国志の「赤壁の戦」を映画にした「red・cliff」を見て今帰ってきました。スケールの大きな映画で、中国の人口の多さを改めて痛感しました。

「赤壁の戦」とは、三国時代、孫権・劉備・の連合軍と曹操の軍との戦いのことで、208年頃の実話です。

蜀漢の丞相「諸葛孔明(181年~234年)」役の日本の俳優が良かった。目許涼やかで、静かなたたずまいの美男。私は名前を知らないのです。
「孔明」は有名な「三顧礼」を劉備から受けて蜀漢を確立した人です。

もう一人、軍隊の大将役で中村獅童がでていたが、これも適役だと思いました。

結婚してから、このような映画ばかり一緒に見せられて、荒んだ女になっていはしないかしら?


※アフガン戦争・狂牛病ふり落とすようにガラスの地球儀回す
by blue-lulubul | 2008-11-23 17:54

撫子の花

「撫子はね!ひとりの人をいちずに思い続けて路傍で孤独に死んだ花なんだ!なんと哀れな花なのだろう」
 

「何いってんのよ!ひとつの愛を死ぬまで貫き通せるなんて、最高に幸せじゃないの!」

「報われるとか、報われないとかそんなのどうだっていいじゃないの!」

「愛とはそうしたものではないかしら?愛とは自分も滅ぼすこともあるけれど、愛した相手だって滅ぼしてしまうこともあるのよ!」

「静かに平穏に生きていて欲しければ、愛ではなく、親切を与えるべきだと思うわ!」

「撫子は、弱い花なんかじゃないのよ!一人のために咲き続けるなんて、逞しくなければできないと思うは。」

「本当の愛を貫くには強さが必要よ!」


※みめかたち良きも悪しきも神の領域 言葉ことのは操れ<シラノ>
by blue-lulubul | 2008-11-22 18:02

三日月と葡萄

三日月の切っ先に触れし
濃き紫のぶどう幾房
みずみずと命したたらす

傍らに深く眠れるものら皆
やさしき罠のしずくに濡れる

月は落ちて…
また、月が昇る

修羅の界を
みずみずと命漲らす
濃き紫の葡萄いくふさ

かすかなる光を放つ遠雷に
開かざる思いを太らせ夢結ぶ
濃き紫のぶどう幾房

実には実の歓喜のあろう
実には実の悲哀あるらん

濃き紫に熟れてゆく
杳(はるか)なるふるえこそ
見守りゆくべし


※黙(もだ)しいて老母(はは)と見ている秋の夜の北斗の柄杓ときを零(こぼ)せる
by blue-lulubul | 2008-11-21 10:27

侘助の花

ぬばたまの夜の更けの
ひっそりと眠らぬ水際(みぎわ)に
水守のごとく侘(た)ちいし
侘助の古木

誇るもの何ものもなく
錆びし傷幹に抱きて
ただ白き花を
無数に掲げいる

子をつれて水呑みに来る鹿の
ひとすじの拒絶立たせた
その細き背に
音秘めて散りかかる
侘助の白き花

われもまた
哀しみの果て
帰るべきその木の元の
青沈む石の上に
息深く安らげり

わが背にも
また音秘して散りかかる
侘助の白き花

※侘助は侘助だけの重さにて散るポトリでもなくフワリでもなく
by blue-lulubul | 2008-11-20 16:00