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<   2008年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧

秋篠寺の技芸天女


 「百聞は一見に如かず」・「食わず嫌い」先人は旨いことを言った。
 これだけ情報の発達した社会なので、国宝級の仏像はポスターや本の表紙など、どこかで必ず目にしている。ましてや、関心のある分野ならなおさらのこと。私は写真を見ただけで、好みにランクを付けていた。

 今度の旅では、浄瑠璃寺や、不退寺のように優雅で、奥ゆかしいお寺を観た目には、秋篠寺の佇まいは、ことさら心を打たれるというほどのものではなかった。「秋篠の技芸天女」という美しい名前にはひどく惹かれてはいたが…。像のボリュウーム感といい、剥奪した箇所から受ける男性的とも思える陰影といい、(まあ拝観できる機会があれば…。)という位の気持でいたのだ。
 何しろ私は少年や少女の姿に似せたやや丸みの無い清冽な感じのする像が好みなのだ。


 門から寺院への道は木々たちの根元に息づいている苔が、まるで厚い緑
のビロードの塊をふわりと置いたようで、さすが年代を経てきた御寺の風格がする。いかにも長い間大切にされてきた御寺との印象をうける。

 先ほど東寺で念願の帝釈天との思いがけない出会いを果たし、感動で胸が一杯の私には、風格のある庭の佇まいも、さして心を動かされず、これからお目にかかる観音様も、まあ人さまの騒ぐ仏様なのだから、一見の価値はあろう位の気持でいた。

 本堂の入口を潜った。
 入場券を小窓から受け取って暗い堂内へ…。
 向って左側の壇上に7~8体の仏像群が聳えていた。
  

 技芸天女は一番左側に、入口に近く、入ってくる者達の目の前に立っておられた。
 胸を打たれたと感じるより前に、私は自然に泣いていた。


 ・大好きな、いつも胸をときめかされる「阿修羅王像」も、
 ・さみどり色の不思議な空間へ誘われる「百済観音」も、
 ・優しくて清々しい感じの「広隆寺の弥勒菩薩」も、
 ・長い時を待つともなく待って、先ほど思いがけない対面を果たした東寺  の美青年の姿をした「帝釈天」も、
 初めてお目にかかったとき私を泣かせはしなかった。

 
 技芸天女は、小首を傾げて微笑んでおられた。「ほほ笑む」などと一言では片付けられないほどの、素晴らしいとしか表現できない微笑を湛えておられるのだ。この微笑に一番近いものと言えば、寝ている嬰児が何の夢を見たのか、寝たままで、おもわずほほえんでいる、あの無垢な微笑かもしれない。見ているものもつられてつい微笑んでしまいそうな温かいものを醸し出している。まるで、傷口をぬるま湯で浸されて頂いているような、造形を超える表情であった。

 技芸天女の一メートル四方にオレンジ色の柔らかな灯りがポッと点っているような錯覚を覚えた。

 これは「日本のモナリザだ!」と私は思った。
 技芸天女の頭部は脱乾漆造りで、天平時代のもの。体部は寄木造りで、鎌倉時代のものという。その差は、なん5百年の隔たりなのだ。それなのに
なぜ、これほどの調和をしているのだろう。不思議である。
 

 もう私は、この人智を越えているとしか思えない神秘の微笑の前には、何ものも輝きを失ったという思いで、御堂を出てもしばらくは、目に入る物全てを、ぼんやりと眺めていた。
 すると、連れ合いに「とても優しい目をしている」と言われた。
 私は、伝う涙を拭きながら、(そうか!この観音様の一番好きなところは{優しさ}だったのだ。)と気付いた。誰も彼も求めているのは、このように優しい笑顔なのだ…。あのような顔をして暮らせたら自分も周囲もどんなに幸せな気持ちで、日々を送れるだろうと思った。


 実際に仰いだあの表情そのままの写真には、未だお目に掛っていない。
 実物をこの目で見なければ、伝わってこないものが、まだまだ沢山あるに違いないと、再認識して非常に謙虚な気持になったのであった。


※運命は抱きとめたり 秋篠の技芸天女はしんしん笑(え)まう


 

 
by blue-lulubul | 2008-08-30 11:28
はじめましてlulubulです

 初めてとは、なんと新鮮で、うれしいものでしょう。
 ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
 貴女の座右の銘は「温故知新」と知っていました。
 私のは…。ブログでもしないとわからなかったですね。
 ではまたね。
by blue-lulubul | 2008-08-29 14:58

不思議な植物 ゴーヤ

 今年は台風が少ないと思っていましたら、昨夜は集中豪雨で、愛知県の岡崎では一時間に300ミリも降って、土砂崩れで橋や鉄道が折れてしまったとか。埼玉県でも220ミリも降ったという。群馬県は山に囲まれていて、台風も豪雨も嫌がって避けて過ぎていくようです。有難いと思います。
 でも、その分被害地の方達にはとてもお気の毒に思っています。
 
 
 昨日、手作りのゴーヤを沢山頂きました。
 そこで、糠漬けにしてみようかと考えました。幸い、お米を買ったときに、精米して出た糠で香ばしい糠床がありますので、新しい思いつきにワクワクです。
 
 まず、ゴーヤをたわしでごしごしこすって、(どうしてこんなにイボイボだらけなのでしょうねえ!)
 塩を一つまみ入れた熱湯にくぐらせました。急いで冷水に取って冷やします。(こうするとグリーンが鮮やかになるうえ、苦味も軽くなると聞きました)


 なんと、今朝食しましたら、シャキシャキしてとても美味しいのです。しばらくはまりそうです。
  

 ところで、私の子供のころは、まったく見かけませんでした。
 ここ近々目にし出したものですが、あの姿と、苦いということで敬遠していました。ですがある時、気がついたのです。夏は、葉の野菜が極端に少ないので、胡瓜や茄子だけでは、ビタミンが不足がちになるのではないかと…

  
 そこで、食べてみましたら、香りも強くないし、苦味も気持ちの良い苦さなのです。私は、時々胃が重くなるとセンブリを煎じて飲むのですが、あの苦さににているのです。それからは、茹でて塩コンブと和えてみたり、チャンプル以外にも、箸やすめの総菜の材料として使っています。


 ところが、昨日頂いたゴーヤはなんと50センチにも育ってしまった大物でした。そのうえ、切り開いたら中が真赤で、種など血の色なのです。種をしゃぶってみると、果物のように甘いのです。


 早速、広辞苑で調べてみました。ちょっと感動したので、一部を引用させて戴きます。
 
 「ウリ科の一年生蔓草。雌雄同株。熱帯アジア原産で、日本には中国から渡来。夏秋のころ、黄色の小花を開く。果実には疣(いぼ)状突起があり、熟せば裂開くして紅(べに)色の肉をあらわす。果肉に苦味があり、青いうちに野菜として、食用、また観賞用。ツルレイシ。苦瓜(にがうり)沖縄でゴーヤー。(季語は秋)」


 なんとゴーヤは、楊貴妃が好んだというあの「茘枝(レイシ)」の仲間だったのですね。流通の盛んな現代なればこその食材だと思ったわけです。


 ※陽を溜めて二尺を伸びしゴーヤの実  切りて蒙る紅(くれない)地獄




 
by blue-lulubul | 2008-08-29 14:27

はじめましてlulubulです

 はじめまして。lulubul(るるぶる)です。
 お若い方達のお仲間に入れて戴いてちょっと気恥ずかしいのですが…。
 でも、勇気を出して頑張ってみます。
 ご招待くださった(coolcat575)さん有難うございます。新しい世界が開  かれたような心地がします。よろしくおねがいします。
 
  ※鷺草は茎の長さをゆれている空飛ぶ夢をわれと分かちて 
 私の拙い短歌です。

 さて、私の座右の銘は「信頼」です。折にふれて、再確認している事柄で  すので、少しずつ書いてゆきたいと思います。
 


☆ひとつを拾えば、ひとつを捨てなければならないこともあります。
 
 平凡な毎日の生活の中でも来客があれば、電話中の人に一旦切って頂  いて掛け直さなければならないし、電話の内容によってはその逆もありま す。でも、後者の場合は、いささか厄介なこともあります。相手が話を切り たくないと思われるのにこちらでは、せっかく家にまで来て下さったのに、 二の足を踏ませるには忍びないと二つの間で気持ちが揺れるときです。
  
 こんな時ものをいうのが電話の相手との信頼関係の深さです。
 あまり親しくない相手でお互いに良く分かりあえていない場合は、後で相 手がすっかり意固地になっていて修復不可能なこともあるからです。
  
 こちらは、悪気はありませんので、いつものように接していますが、どうも  様子がおかしいとかんじるのです。
 そんなときどうしたらよいかしら?       

まず相手の度量の大きさに頼む。
 次に電話をかけられる状態になったら、訪問するより先に詫びをいれる。
 
 それでも、人生に於いてどうしても手の離せないことがあるのです。多くは
 自分や、家族の病気や事故などの生命にかかわることです。
  
 そして、機を逸してしまって、そのまま疎遠になってしまうこともあります。
 まあ、それまでの中と言ってしまえば簡単ですが、そんなに割り切れるも  のでもないのです。

 ただ信頼し続けるしかないと思っています。

 短歌をつくることによって、自分の生き方を深くみつめることになったことは
 思わぬ副産物でした。

 ※風の出口あるを信じてゆくメトロ一枚の蝶流されゆきて


  
by blue-lulubul | 2008-08-27 16:26